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「皐月さんて結構いい身体してるね」 シャツを脱いでいたら千鶴が俺の腹に触れてきた。 「小説家ってインドアなのに、筋トレしてんの?」 「俺の事が知りたいか?」 服を全部脱ぎ捨てて全裸で千鶴に跨った。 触れた場所から千鶴の冷たい体温が伝わる。 「皐月さんて変な人だよね、男抱くのに抵抗全然なさそう」 「……そうかもな」 千鶴の髪を撫でながらキスをする。 俺の背中に腕を回して力を込める千鶴。 「やっぱり、ソッチの人だったんだ?」 「ソッチってドッチだよ」 初めて会った時にも言われたな、と思い出す。あの時の千鶴と今、俺に抱きついてる千鶴は別人みたいだ。 「皐月さんて、ゲイじゃないの?」 ソッチって、そういう意味か。何となくは分かっていたけど、千鶴にはそう見えたんだな。
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