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ニノミヤからの電話の後。
ソファーで大の字になり天井を仰ぎながら、これからの自分と、もうすぐここに戻って来る真里とのこれからのことを思い描いてみた。
真里は泣いて帰ってくるだろうか。
それとも無理した作り笑いを浮かべ、気まずそうに帰ってくるのだろうか。
今までと同じように二人で暮らしていけるのだろうか。
それとも…今までとはちょっと違った甘ったるい時間が来るかもと期待してもいいのだろうか。
俺は真里が好きで、
真里も俺と同じ気持ちなら、
……いいよ、な?
期待しても…いいんだよな?
くっそ!
……考えたら落ち着かなくなってきた。
それにしても……帰ってくるの遅くないか?
ニノミヤのとこからにしては時間がかかり過ぎじゃないか?
何してんだろう。
早く帰って来いと電話……いや、ダメだダメだ。
それじゃニノミヤから連絡が来たことがバレてしまう…。
口止めされてるからな。
偶然、友達にでも会ったのかもな。
うん、きっとそうだ。
久しぶりだよね~とか盛り上がってるんだろうな、うん。
女の話ってのは長くなるから。
って、待てよ?
女………じゃなかったら?
あり得なくもないぞ。
ニノミヤの話では、自分の気持ちはここにないと言っただけで、それをニノミヤは俺のことだと思い、俺も俺で、自分のことじゃないかと都合よく解釈しただけで…。
そうだ。
真里が俺を好きだとは言ったわけではないし、ここに戻って来ても、俺を好きだと言ってくるとも限らない。
もしも…それは全く別の男のことだったら?
それなのに、俺は一人で舞い上がって、お前が好きだと言うところだったのか?
“お前が好きだ”
“え、お兄ちゃん、キモいんだけど…”
そう言われてオシマイだったかもしれない?
オーマイガー!
ニノミヤに踊らされるところだったぞ!
くっそーくっそー!
俺…どんだけ浮かれてんだよ…。
まずは帰ってくるのを大人しく待つか。
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