奴等が来るまで

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村人の一人が川に落ちて溺れかけた時。 「吊り橋の縄が傷んでただけだよ。」 村の家屋が土砂崩れで潰された時。 「木を切り過ぎたんだ。だから脆くなった。」 大小問わず、何か有る度にカコが災いを招いたと騒ぎ立てる村人達に、ヨルドはカコを庇いながら言葉でやり返した。 内容もその都度納得させられるものを調べて用意してきたので、村人達はそれ以上責めることが出来なくなり、話はそこで終わりになった。 そうして、村人達にカコの無罪を説いた後、怯え、泣き出しそうなカコにいつもヨルドは言ってきたのだ。 いつかきっと解ってくれると。 そうやって励まし続ける内に、その言葉はヨルドにとって大切なものとなったのである。 口にすることで、改めて信じようと…その為に努力しようと、思うことが出来たから。
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