バレンタイン

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 今日は二月十四日。みんなが色めき立ち一日中チョコに染まるバレンタイン。  その中心でより一層浮かれている人が一人。  このクラスのメガネな委員長様。  長い黒髪が朝の光を浴びてキラキラと光っている。動くたびに靡くその髪に釘付けになってしまう。  高校に入ってから、この日はクラス全員に手作りチョコを渡している。  男女問わず、ほぼ全員に。しかもご丁寧に名前入りで綺麗にリボンでラッピングされている。  ご苦労な事でと思いながら、教室の中心での手渡し会をしてる輪を廊下側の最後尾から遠巻きで眺める。  ほぼ全員と言ったのは例外がいるからで、それが私。  私を方をチラチラと伺うのを感じるけど、目を逸らし時計を見る。  そろそろ、ホームルームが始まる時間。  遅刻かも休みかも分からない机にまで置いていくから呆れを通り越して尊敬してしまう。  チャイムが鳴り、先生が入ってくる。  そして、いつもと同じ退屈な時間がいつもと違う苛立ちと共にやってくる。
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