バレンタイン

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「その気持ちは嬉しいけど、私は委員長さえ一緒に居られれば周りなんてどうでもいいのよ」  委員長が隣に居れば、世間の目なんて関係ない。 「そうは言っても貴女に辛い思いをして欲しく無いし、それと」と言うと突然口を閉ざし下を向く。 「それに、私からの本命チョコはずっと貴女だけのものだから、貴女だけの特別だから」と真っ赤になりがら宣言すると顔が近くなる。  私はただ目を瞑り、ただチョコより甘くとろける感触に酔いしれる。  全てが幸せに包まれて、返す言葉は消え去っていく。 「大好きよ。純」柔らかい声色に身も心も暖かいものがこみ上げてくる。  いつまで続くかなんて分からない関係。他人から見たらただの恋愛ごっこに見えるかも知れない。でも、今がただ幸せでいつまでも続いて欲しいと願う。 「私も大好きだよ。菜々」  私も消えた言葉の代わりに口付けを交わす。
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