バレンタイン前夜

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「さあさあ、俺は話したぞー。お前らはどうなんだよ。野口ー。」 ニヤついたまま大倉は2本目のビールに手を伸ばして、プルタブを開けた。 「俺?特に…あ、でも先輩にチョコが好きか聞かれたわ。」 野口はちびちびとビールを飲みながら、淡々と報告した。 「え、お前それは絶対もらえるって!先輩って部活?」 「そう。女バレの一個上の。」 野口は大学でもバレーを続けている。 「へぇ、どんな人?」 野口のそんな話は貴重なので、俺も身を乗り出す。 「明るいな、底なしに。」 「いいじゃん!ちなみに髪ショート?」 「ショート。」 「いいねぇ!部活の先輩とかやばいな、お前。お前の方はどうなんだよ?」 「……。」 「はいはい、満更でもねぇんだなー。」 まぁ、野口は寡黙そうな雰囲気だし、高校の時も結構モテてたからなー。 逆に、大倉は誰にでも話しかけてくし明るいから、後輩とかならころっと落とせるのかも。まあチャラいけど。
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