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夕方6時頃のことであった。
実家の居間には、ひろつぐと両親とひでのりとひであきとほのかがいて、晩ごはんが出来上がる時を待っていた。
テーブルの上には、小皿が並べられていた。
晩ごはんは、あずさの手作りのゆでた豚肉のサラダである。
食卓では、父親が腕組みをして足を揺すりながらイライラとしていた。
母親は、心配そうな声で父親に言うた。
「あなた…あなた…」
「なんや!!」
「あなた…」
「オラ!!なんでひき逃げ魔を家に入れた!!なんでひき逃げ魔を家に入れたと聞いているのに答えないのか!!」
「あなた!!」
「やかましい!!ごはん食べん!!」
イスから立ち上がった父親は、背中を向けて書斎へ入った。
母親は、よりあつかましい声でひろつぐに言うた。
「ひろつぐ!!」
「なんだよぉ…」
「ひろつぐ!!おとーさんがどんな想いで怒っているのかが分かっていないわね!!」
「なんだよぉ…」
「ひろつぐは執行猶予期間中の身なのよ!!執行猶予期間中!!」
「おばさま…もういいでしょ…オレしんどいのだよ…ひろつぐのことについては気持ちが落ち着いたら話せばいいじゃねえかよぅ~」
ひでのりがつらそうな声で言うたので、母親はあわてた表情で言うた。
「そうだったわね…ごめんね。」
母親は、ひと間隔置いてから厳しい声で言うた。
「ひろつぐ!!晩ごはん食べたらおかーさんと大事なお話をします…分かっていたら返事しなさい!!」
しばらくして、台所からエプロン姿のあずさが大きめの容器を持って食卓に来た。
そして、みんなが食べる豚肉サラダを小皿に入れていた。
ひでのりは、ふさえとふさこが食卓にいなかったので、よりあつかましい声であずさに言うた。
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