第21話 待ち人の温もりと名前

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どんな冒険者も受け入れるこの街。何故、ここまで寛大なのか。それはこの街の、いや、かつて国だったこの場所を造り上げし者の信念と決意がそうさせている。 魔王に勘当されし、姫君『エリューシア』。彼女は、汚れなき乙女。すべての種族の平和を願い、友好たらしめんと尽力した。争いが嫌いだった。皆で笑いあえる世界にしたいと望んでいた。すぐには無理でも、この場所だけではそれを実現しようと。 今は亡き姫君の意思と想いは受け継がれ、寛大で優しい街人が冒険者を待つ。各地に同じ志の国や街があれば、同盟を結びにいく。彼女の夢の実現は、今も少しずつだが進んでいる。いつか、皆で幸せになるために。だから、この街の名前は………。 ━━『エリューシア』始まりの乙女 そう呼ばれている。これからもずっと………………。
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