第22話 人を形つくるもの、残りし思い

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クエスト内容は、さっきもお母さんが言っていた『人形の鎮圧』。前回同様、人形が何かにより、暴走していると仮定できる。因みに、『人形の館』は、人形愛好家が人形を収集していたことから名付けられた。しかも、東国人形やフランス人形などの人を模したような人形ばかりだという。そんな人形がところ狭しと並んでいたら、正直怖い。何もなくても怖い。 「……それとね?今までは、人形たちが来るものを虜り殺していたんだけど……。最近、一人の少女が冒険者を返り討ちにしているみたいなのよ。おかしな話よね。まるで、虜り憑かれたように襲いかかって来るって話よ」 虜り憑かれた少女……、もしかしたら……。二人は顔を見合わせる。 「……予想が当たっているなら、お礼参りしてやれそうね」 「ローゼ、どこで覚えたの、そんな言葉……」 二人で適当なやり取りをしながら引き受けたところへ、アリスたちがやってきた。 「なんだなんだ?新しいクエストすんのか?」 「仕方ないね、力になるよ」 「……前回のザマを忘れるとは、都合のいい鳥頭だな、おまえら」 雑なコントに、ローゼリアが冷たい視線を送る。 「捨てゴマになりたいなら、ついてくればいいわ。あたしは容赦しないわよ。あなたたちが死んでも後悔はないもの」 危なくなったら、平気で彼らを突き飛ばす気満々だ。 「もう!白雪姫ったら、あんまり虐めないであげて?」 「……優しくしておけば、自ら進んでやってくれるものよ」 美女コンビまで会話に入ってきた。 「七人いれば、早く片付きそうね。頼んだわよ!」 クエストの紙を置き去りにして、お母さんは立ち去った。またも、情報が少ない。 「………3月ウサギ、あなたまた情報集めてきてちょうだい」 人形とくれば、女性が名乗りをあげると踏んだのだ。 「ふっふ~ん♪大丈夫!私たちが情報持ってるよ!」 ラプが嬉しそうに詰め寄る。 「じゃあ、3月ウサギ待機ね」 ウキウキとナンパに向かおうとして、止められた。かなり不服そうである。
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