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「なんで笑ってますの?!」
「ごめんね。『赤い靴』の女の子なんだよね?」
二人は、カノンがお母さんにも既に捕まったことを悟った。堂々と、ローゼリアに会いに来たと公言したことは、想像に難しくない。知らなくて当然だ。女の子大歓迎のギルドでそんなことをすれば、確保される。拠点を調べるべきだった。
「……ふん!あなたさま方がなぜ、『白雪姫』さま、『赤ずきん』さまか、よくわかりましたわ」
最初のあの説明を聞いたら、間違えようがない。わざとそれを引くように画策されてしまったのかもしれない。
「まぁ、ここにいたいなら受け入れるしかないわよ」
「あら、あたくしはなんでも似合っちゃうんですの。可愛いって罪ですわぁ!おーほほほほほほほ……!むぐっ」
またケーキが押し込まれる。二回目で、仕組みがよくわかった。高笑いをするたびに、周りが慣れないらしく、振り向く。高笑いするような存在がいないためだろう。
「……順応性高いんだね。あ、名前は?」
「むぐっむぐっ!『赤い靴』のジェシカですわ。再度お見知りおきを♪」
お母さんは口止めされていた。ジェシカが、忌むべき本当の名前だと言うことを。乗り越え、呪いに打ち勝ちたいという真摯な思いを受け止め、受諾されたのだ。
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