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「……女はやかましくて敵わねぇな」
手鏡を覗きながら、映る自分を見つめるナルシスト帽子屋。
「え~?大人女子はいいよぉ?未成年は子どもだから仕方ないっしょ~♪ね~♪」
やけに露出の高いセクシー女性たちに囲まれ、ご機嫌な色ボケ3月ウサギ。
「……………それはいいとして」
「男なんだから、おいとかないでよ」
長い長い溜め息をつく。
「問題が一つある」
「何が問題~?」
「……うちのガキはどこいった?」
「女に興味ない帽子屋に子どもなんていたっけ~?がっ!」
ツカツカと歩み寄った帽子屋に、頭上から拳骨を食らう。びっくりした女性たちが、さっと逃げた。
「え?ちょ!どこいくの?!」
体だけの関係は、脆い。いくら体感しようと、3月ウサギは変わらないだろう。
「アホなこと言ってんじゃねぇよ。アリスはどこいった、つってんだよ!」
久しぶりの凶悪な顔を向ける。
「わーってるって!ホント、うちの坊やはどこ走ってるんだかなぁ」
足にしか定評がないアリス。いなきゃいないでどこか走り回っていると。
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