第29話 終わらない童話を

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「……女はやかましくて敵わねぇな」 手鏡を覗きながら、映る自分を見つめるナルシスト帽子屋。 「え~?大人女子はいいよぉ?未成年は子どもだから仕方ないっしょ~♪ね~♪」 やけに露出の高いセクシー女性たちに囲まれ、ご機嫌な色ボケ3月ウサギ。 「……………それはいいとして」 「男なんだから、おいとかないでよ」 長い長い溜め息をつく。 「問題が一つある」 「何が問題~?」 「……うちのガキはどこいった?」 「女に興味ない帽子屋に子どもなんていたっけ~?がっ!」 ツカツカと歩み寄った帽子屋に、頭上から拳骨を食らう。びっくりした女性たちが、さっと逃げた。 「え?ちょ!どこいくの?!」 体だけの関係は、脆い。いくら体感しようと、3月ウサギは変わらないだろう。 「アホなこと言ってんじゃねぇよ。アリスはどこいった、つってんだよ!」 久しぶりの凶悪な顔を向ける。 「わーってるって!ホント、うちの坊やはどこ走ってるんだかなぁ」 足にしか定評がないアリス。いなきゃいないでどこか走り回っていると。
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