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あの時の奇妙な感覚は、なんて言えばいいんだろう。
明るい茶色に染められた髪の毛。
両耳に2つずつ開けられたピアス。
異常に着崩した制服。
きっと教科書類など入っていないのであろう鞄。
私は、この人とは絶対に気が合わない、そんな気がしていた。
ううん。
むしろ、関わったら不幸になってしまう気さえした。
なのに。
ー...なのに、なんでだろう。
「ー...綺麗」
そう思ったのは。
あの一瞬で。
彼のことを好きになってしまったのは。
彼を見たその瞬間から。
私はずっと奇妙な感覚に襲われている。
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