before.1

3/27
前へ
/366ページ
次へ
「おはよ柚」 「うん、おはよう」 入学式の日に彼を初めて見ておよそ1年。 同じクラスになって早一週間。 「いやぁ、キングの周りはいつも賑やかだねぇ」 「...そうだね」 私があの日一目惚れした彼は、この学校では通称キングと呼ばれている。 理由は簡単。 成績は毎回学年トップ、運動だって不得意なものなんてない。 そして、学校一目立つから。 いつの間にか、彼の呼び名はキングで定着していた。 実は同じクラスになるまで知らなかったんだけれど、彼の名字は金城というらしい。 今となってはそれが元だったのでは...と思ってるけど。 「ってか今日登校してくるの早くない?」 「あー、なんか姉貴に送ってもらったとか話してたよ」 「ふぅん...」 あくまで、興味ないフリ。 迷惑なクラスメイトとして見てるフリ。
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1531人が本棚に入れています
本棚に追加