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「…よかった」
見たことなかった。
こんな、柔らかく笑う祈くん。
私、祈くんのためになにか出来たのかな。
ちゃんと、力になれたかな。
「ー…で、ここからが本題」
「え…?」
そういうと、祈くんは強く強く、私を抱きしめた。
「ちょ、え、祈く…」
「わかってるんだ」
その声色はとても真剣で、思わず押し黙った。
「柚莉のこと傷付けたって。麻里の代わりだなんていって、都合のいいことばっか言ってたのなんて、俺が何よりわかってるんだ、でもー…」
これは、夢?
それとも、幻?
「俺がこれから先も笑えるように、間違えた時は正してもらえるように、傷付いたぶんしっかり埋めれるように、そばにいてほしい」
「ー…それって」
祈くんは少し私の腕の力を緩めると、言った。
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