before.1

4/27
前へ
/366ページ
次へ
私は彼とも、彼の周りにいる女の子たちとも違う。 私と同じように彼に惚れて、髪の毛を染めたりピアスを開けたりして、話しかけに行った女の子だっている。 けど、私にはそんな度胸はない。 見てるだけ。 気付かれないように、わからないように。 これが高校生の思い出として過ぎていってくれればそれでいい。 いつか、笑い話に出来たら。 それ以上なんて望んでない。 ー...だって。 「ー...ゆずー?行きたくなくても席後ろなんだからねー」 「...わかってるよ」 好きな人の後ろの席だなんて、こんな思い出そうそうない。 きっと、神様がくれたプレゼントだ。 大切にしなきゃ。
/366ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1531人が本棚に入れています
本棚に追加