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「柚莉だよ。華宮柚莉さん。」 ー...なんで。 「おぉ、さすが金城ー!キングなだけあるわー」 「お前らの評価よくわかんねぇんだけど」 私なんかの名前、知ってるの。 「すごい綺麗な名前だなって思ってたんだ。いい名前だよね」 彼が振り向いて、にっこりと笑いかける。 「...どうも」 ...あぁ、眩しい。 「なに、えっと...華宮さん、照れてんの?」 「...違います」 なんでこんな、太陽のように眩しいんだろう。 私の名前は、華やかな名前だと言われるけど、中身が伴ってないともよく言われる。 彼が太陽なら、私はまるでそのへんの雑草だ。 なのに、なんでこんなこと言ってくれるんだろう。 王様は貧しい民にも優しいってこと? ...なーんて。
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