before.1

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でも、そんなふうに考えていた私とは対称に彼はじゃあ、といたずらっぽい顔をして。 「ー...俺だけが知ってる、華宮さんの魅力ってことで」 ー...あぁ、もう。 こんなこと言われて、好きにならない女の子がいるのだろうか。 いや、いないと思う。 こんな素敵な人だから、彼のまわりにはいつも人が集まるんだろう。 ...私なんかよりも可愛くて、愛想があって、素敵な女の子は彼のまわりにはたくさんいる。 叶うはずない。 こんなこと言われるのは、私だけなわけがない。 それでも。 それでもー... この一瞬だけ、溺れてしまってもいいのかな。 「あ、先生来た。ありがとね、華宮さん」 ー...彼の背中が見える。 大きいのにどこか儚げで、綺麗な背中。 ...この背中を、私の席は存分に楽しむことができる。 ほんと、幸せ。
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