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でも、そんなふうに考えていた私とは対称に彼はじゃあ、といたずらっぽい顔をして。
「ー...俺だけが知ってる、華宮さんの魅力ってことで」
ー...あぁ、もう。
こんなこと言われて、好きにならない女の子がいるのだろうか。
いや、いないと思う。
こんな素敵な人だから、彼のまわりにはいつも人が集まるんだろう。
...私なんかよりも可愛くて、愛想があって、素敵な女の子は彼のまわりにはたくさんいる。
叶うはずない。
こんなこと言われるのは、私だけなわけがない。
それでも。
それでもー...
この一瞬だけ、溺れてしまってもいいのかな。
「あ、先生来た。ありがとね、華宮さん」
ー...彼の背中が見える。
大きいのにどこか儚げで、綺麗な背中。
...この背中を、私の席は存分に楽しむことができる。
ほんと、幸せ。
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