before.1

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彼の背中を見つめているうちに先生がやってきて、HRが進行する。 ...あ、そうだ。 「あー、あと金城お前今日日直だからな!!」 「げ、サボろうと思ってたのに...」 「金城ー?!」 「なんでもないですー」 ...すでに若干サボっている感は否めないけど。 彼はいつも帰りのHRが終わるとすぐに友達と出ていってしまう。 そっか、今日いつもより長く見ていられるんだ。 今日はちゃんと会話ができた。 長い間彼が学校にいる。 ...今日は、私ツイてる日かもしれない。 バレないように、少しだけ私は口元を緩めた。 気持ちを伝えようなんて馬鹿なこと考えないから。 せめて、少しでも長く見ていられたら。 ...気持ち悪いかな、気持ち悪いよね。 でも、バレなきゃいい。 見ているだけならタダだから。
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