それぞれの想いが向かう先

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「そんな風に言ってもらえるとは思わなかったからビックリしたけど、すごく嬉しくて。……『はいっ』って即答しちゃった!……昔から先輩のことは知ってるし、なんか……一緒にいるとすごく安心するっていうか、着飾らなくていいっていうか……うまく言えないんだけど……」 微かに頬を染めながら話す有紗に、なんとも言えない感情が沸き起こる。 嬉しいんだけど寂しいような、そんな複雑な気持ち。 それでも伝えたい気持ちは一つしかない。 「……有紗、おめでとう」 「……香音、ありがとう~」 くしゃっと顔を歪めると、隣に座る瑞妃も紗羽も次々にお祝いの言葉を投げる。 「あ~、有紗に先越されたー」と、瑞妃は若干悔しそうな顔も滲ませていた。 *** 「にしてもさー、香音の元カレの顔、一回でいいから見てみたいわー。写メとかないの?」 突然、瑞妃がそんなことを言い出すから、思わず飲んでいた水で咽る。 「あ、私も見たい!香音がずっと好きな人って一体どんな人なのか、すっごい興味ある!」
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