それぞれの想いが向かう先

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一通りの食事を終え、今からデザートタイムへ突入しようというところ。 すでにデザートプレートを頼んでおいてくれたみたいで、運ばれてくるのを今か今かと待っている。 「……写メは、もうないかな」 なんて言いながら、本当は写真も写メも山のように残っている。 だけど、未だその相手が壱吾だとは言えていないのに見せられるわけがない。 苦笑いを浮かべる私に、またも紗羽がフォローをしてくれる。 「有紗は、結婚式とかするの?」 「あ、しようと思ってるけど、まだ先かな~?籍だけは来月にでもいれようって言ってて」 「じゃあさ、籍入れたらあの時のメンバーでお祝いしようよ!」 瑞妃の提案に有紗は笑顔を見せるも、すぐに顔を曇らせてしまう。 「………でも、それだと桐生さんもくる、よね?」 有紗なりの気遣いに私は「大丈夫だよ」と笑ってみせると、有紗は少し安堵したように見えた。
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