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「誤解だって言わなかったの?」
「言おうとしたよ!……でも、その前に…キ、キスされて………」
紗羽は手にしているポーチをぎゅっと握りしめると、真剣な顔で「うん、うん」と頷く。
「………ソファに……お、押し倒されーー」
「ヤッたの!?」
「ヤッてない!」
食い気味に言葉を被せる紗羽に即座に否定をすると、見るからに残念そうな顔で溜息を吐く。
「なんだー、ついにヤッたのかと思ったじゃん。羽村さんまたお預け?ほんっとよく我慢できるよねー」
「そこじゃなくて!……今までの壱吾なら私が嫌がれば止めてくれたし、無理矢理なんて絶対しなかった。そもそもあの日、最初から機嫌悪くて……」
ポーチにリップをしまいながらそう口にすると、紗羽は緩く腕を組む。
「てかさ、なんで羽村さんがいたの?」
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