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「……え、ここって…!」
誕生日デートの当日。
朝早く連れて来られた場所は、私達が付き合い始めたあのテーマパーク。
「なんで!?」
「初心に戻るのもいいかなって」
ニッと片方の口角を上げると、私の手を取って歩き出す。
全く行き先を告げられていなかった私はまだ驚きを隠せず、手を引かれるがままについて行く。
「…で、でもっ!壱吾、絶叫系苦手だよね?」
「……あー、まぁ……誕生日だし。香音は好きだろ?」
壱吾は私をチラ、と見ると「つか、ちょっとくらい乗れるし」と、強がってみせる。
壱吾が苦手だからとなんとなく避けてきた場所に、こうして連れて来てくれたことはすごく嬉しかった。
「……壱吾、ありがとう。すっごいわくわくしてきちゃった!絶叫系乗るの、楽しみ!」
「…………あ、うん。…程々で頼む」
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