〈過去〉19歳・初夏

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「……なんか、懐かしいね。いろいろ思い出しちゃった」 雨に降られたこと。 靴擦れしたこと。 初めて手を繋いだこと。 そして……想いを伝えあったこと。 「私、幸せだな。こうしてハタチの誕生日も壱吾にお祝いしてもらえて」 私達が付き合い始めて、もうすぐ2年半が経とうとしている。 大袈裟かもしれないけれど、これ以上に幸せな2年半はないと思っている。 「……俺の方が幸せだよ」 キュ、と指先で手を繋ぎ合うと、ふふっとお互いに笑みを零す。 願うなら、この先もこんな幸せな日々が続いてほしい。 そんな想いを夜空に光る星に願った。
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