2053人が本棚に入れています
本棚に追加
手のひらに何かが乗せられると、ひと呼吸おいた壱吾が「目、開けていいよ」と、声を掛ける。
私は言われた通りにそっと目を開けると、小さな白い箱が私の手のひらにちょこんと乗っていた。
「………なにこれ」
「誕生日プレゼント」
「えっ!?」
今日は誕生日だからと、デート代は全て壱吾が出してくれた。
だからそれがプレゼントなんだと思い込んでいた私は、目の前にある箱に驚いて壱吾と交互に見比べる。
「……もらっていいの?」
「うん。開けてみ」
シンプルな白い箱を上下に開けば、見覚えのある指輪が姿を見せる。
「……え、うそ。これ…!私が欲しいって思ってたやつ!何で知ってるの?私、一度も言ってないよね?」
「この指輪のCM流れると、いっつも食い入るように見てんじゃん」
最初のコメントを投稿しよう!