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「いろんな人と出会って、学生の俺と比べたら、地位もお金もある大人の男が香音の周りに沢山いて……。俺なんか頼りなく感じるかも」
「………そんなこと」
なにを言っても安心できる言葉にならない気がして、ただギュっと壱吾の手を握る。
「香音のことは信じてるし、俺も離れるつもりないんだけど。…ちゃんと言葉にして伝えておこうと思って」
そう言うと、壱吾は真剣な表情で真っ直ぐ私の顔を見つめる。
バクバクと心臓の音が耳に響く。
「……俺も大学卒業して、就職して、自分に自信がついたら香音にプロポーズするから。…少し時間はかかるけど、俺のこと信じて待っててほしい」
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