2053人が本棚に入れています
本棚に追加
またベッドが軋み始めると、簡単に艶のある声が零れていく。
「……香音」
耳元で切なげに囁かれると、もう何も考えられなくなる。
ただ全身で想いを伝えることしかできない。
「も、っと……ゆっ…くり、」
「………悪い。まじで加減できねー」
荒々しく唇を塞がれ、零れるはずの声が籠る。
抱えられるように揺らされ、必死に汗ばむ肌を寄せ合った。
「……っ、香音、好きだよ」
それに答える余裕すらなく、返事の代わりに重ねた手に力を込めた。
最初のコメントを投稿しよう!