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「備品室、俺が行けばこんなことには……」
私はその言葉に、フルフルと首を振った。
和田さんが来るなんて、予想もできなかった。
それに完全に油断していた私が悪いんだ。
冗談だと決めつけて、少しも疑うことをしなかった。
「…………津坂さんのせいじゃ……ないですから」
もっと危機感を持っていれば………なんて。
遅すぎる後悔をしても仕方ないのに。
「北見さんは大丈夫だって言ってたけど……俺には和田くんがやたら北見さんに執着してるように思えて……。気を付けてたはずなのに……本当にごめん」
私に頭を下げ、謝る津坂さんに何て言葉を掛ければいいんだろう。
未遂で終わったのも、津坂さんが来てくれたからなのに。
「………私……津坂さんには、感謝してます。……じゃなきゃ、今頃……」
その時。
勢いよく、事務所の扉が開いた。
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