〈過去〉19歳・初夏

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「迷惑とか考えなくていいから。……俺は北見さんに無理してほしくない」 津坂さんは眉を潜め、心配そうな顔をする。 店長は腕を組み、じっと何か考え込んだあと、私に一つ提案をした。 「……じゃあ、ホールじゃなく厨房に入るか?」 「……え、」 「表に出るには、いろいろと不安もあるだろう。中なら、そういった不安は多少取り除けるだろうし……」 私は基本ホールを担当していたけど、忙しい時や人手が足りない時など、助っ人として厨房に入ることもあった。 まぁ、主にするのは食器洗浄だったけれど。 「……いいんですか?」 「それはこっちのセリフだよ。…北見がいいなら、来月末まで厨房で頑張ってほしい」 私がしっかりと頷くと、店長はふっと笑う。 だけど津坂さんだけは、複雑な表情をしていた。
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