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壱吾の言葉に、私の頭の中はハテナマークが飛ぶ。
確かに今日は壱吾の言うようにバレンタインデーなんだけど……。
それが何故、オムライスに繋がるのかわからない。
「え、わかんない?日頃の御礼のつもりなんだけど。……それにバレンタインは男がやったらダメだっつー決まりなんてねーだろ?」
……つまり、逆チョコってやつ?
こんなの想像もしていなかったからビックリしたけど、あとからじんわりとした嬉しさが込み上げてくる。
「………ありがとう」
「どういたしまして。…俺こそ、いつもありがとう」
照れ隠しなのか、壱吾は目を合わせずにスプーンを口に運ぶ。
壱吾の気持ちが嬉しくて幸せなはずなのに、オムライスを頬張るたびに小さな罪悪感が襲う。
大好きな人に秘密が出来たことが、
これから隠し通すためにつく嘘が、
こんなにも辛いなんて。
私は今日、初めて知った。
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