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毎日が幸せだった。
触れる手が、
甘い言葉が、
いつだって素直になれない私を優しく包んでくれる。
抱き合った日々は、言葉で表せないくらい幸せで。
これ以上ないくらいに、愛されていたことを知った。
私の名前を呼ぶ声が好きで。
私に触れる手は心地良くて、壱吾の腕の中はいつも安心できた。
なのに。
どうしてこんなことになってしまったんだろう。
過去を思い返しながら溢れる涙が、クッションを濡らしていく。
「少し時間はかかるけど、俺のこと信じて待っててほしい」
ーーー待ってるって、壱吾と約束したのに。
「……一生離れるつもりないから、ずっと俺のそばにいろよ?」
ーーーずっと一緒にいるって、誓ったのに。
全部、壊したのは私。
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