〈過去〉19歳・初夏

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毎日が幸せだった。 触れる手が、 甘い言葉が、 いつだって素直になれない私を優しく包んでくれる。 抱き合った日々は、言葉で表せないくらい幸せで。 これ以上ないくらいに、愛されていたことを知った。 私の名前を呼ぶ声が好きで。 私に触れる手は心地良くて、壱吾の腕の中はいつも安心できた。 なのに。 どうしてこんなことになってしまったんだろう。 過去を思い返しながら溢れる涙が、クッションを濡らしていく。 「少し時間はかかるけど、俺のこと信じて待っててほしい」 ーーー待ってるって、壱吾と約束したのに。 「……一生離れるつもりないから、ずっと俺のそばにいろよ?」 ーーーずっと一緒にいるって、誓ったのに。 全部、壊したのは私。
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