〈過去〉19歳・初夏

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「ーーーっ!…ふ、っう……」 「嫌いだ」と嘘を告げた時の壱吾の顔が忘れられない。 傷付けたのは、私。 泣く資格なんてないのに、涙は勝手に溢れてくる。 「………っ、ご、…めん……」 今も大好きだよ。 本当はそばにいたかったよ。 自分勝手でごめん。 どうか、幸せになってーーー。 私はこの日のうちに携帯を解約し、 次の日には、家も出た。 壱吾の前から姿を消した私が 6年後、彼と再会するなんて この時は、夢にも思わない。
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