最後の嘘。

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久し振りに耳にした名前に顔は強張り、明らかに動揺してしまう。 有紗達は初めて聞く名前に「え、誰?」「知らない」なんて、ヒソヒソと話している。 「本当、偶然なんだけど……たまたま担当したのが津坂さんで。その後、少しだけ話した」 ………いやだ。 その先の言葉は、聞きたくない。 だけどそんな私の思いは虚しく、壱吾の口から一番聞きたくなかった言葉が零れた。 「全部、聞いた。………あの時あったこと」
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