最後の嘘。

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瑞妃の言葉が深く深く突き刺さる。 「後悔」か………。 「……そんなの……もう数え切れないほどしてるよ……」 何度も何度も二人で笑い合っている夢を見て。 朝、目覚めれば、無意識に壱吾の温もりを探して、現実を思い知る。 秘密を抱えながらそばにいる方が辛いと思ったのに、それ以上に壱吾がそばにいない方が辛くて。 私は、わかっていた"つもり"で、 結局何にもわかっていなかった。 *** ーーーそれから三週間後。 それは、有紗の一言から始まった。 今思えば、すでにここから瑞妃の作戦が始まっていたのかもしれない。
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