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俺は今日ほど合コンに参加してよかったと思ったことはないーーー
「……ハァ、気乗らねーな」
カチャカチャとパソコンを操作しながら、壁にかかる時計にチラリと視線をやる。
ちょうど約束の時間。
だけど俺は、未だ会社に残って残業中。
「今日は残業せずに上がれ」と、主任に口酸っぱく言われていたけど、気乗りしない合コンについダラダラと仕事をしてしまった。
さっきから何度もピロン、と音を鳴らす携帯の画面には、主任から『早く来い』と催促するメッセージ。
俺は苦笑すると、仕方なく帰る支度を始める。
羽村壱吾(ハムライチゴ)、旅行代理店勤務。
独身・彼女ナシの俺を心配して、たまに飲み会という名の合コンに連れ出される。
正直、彼女が欲しいと思っているわけでもないから、行ったところで何かが変わるわけでもない。
今も昔も、俺の胸を占めるのはたった一人の女性だけ。
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