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負けじと牽制の意味を込めて真っ直ぐに見ると、先輩の口元は緩み、クスっと笑いを零す。
「……へぇ、もしかして羽村、本気?」
手にしていたシャンパンを半分程飲み干してから、その質問に答えようと口を開いた瞬間、
「羽村さん、お隣いいですかぁ~?」
少し高めの猫撫で声が耳に届き、視線を向けると、さっきも俺の隣に座っていた彼女が返事を待つことなく腰を下ろす。
咄嗟に愛想笑いを浮かべると、彼女もまたニッコリと微笑んだ。
「さっきお話途中でしたよね。私、もっと羽村さんとお話したいんですけど……」
上目遣いで俺を見つめる瞳に滲むのは、今までの女性と同じく、わかりやすいくらいの好意の色。
それに割り込むように、先輩がグイと身を乗り出すと、
「えっと、瑞妃ちゃん…だっけ?ね、俺もまぜてもらっていい?」
「え?…あ、はい、もちろん」
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