再会

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………誕生石の……ピアス? 思わず自分の耳を疑ってしまうくらいその言葉が信じられなくて、呆然と手元のグラスを見つめる。 まさか………そんなわけないよな? 俺の頭の中に浮かぶのは、あの夏祭りの日。 互いにつけあったピアスが、記憶の中でキラリと光る。 「そのピアスって、すごく好きだった彼に貰ったやつなの?」 「香音には『自分で買ったの』って笑ってかわされましたけど、私は、絶対その彼から貰った物だと思ってるんですよね~」 ふふふっと笑い、ニヤける彼女は、自信満々にそう言ってのける。 「………そのピアスって、どんなやつか見たことありますか?」 今まで黙っていた俺が口を開いたからか、先輩と彼女の視線が刺さる。
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