再会

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「……ごめんなさい。はっきりと覚えてるわけじゃないんですけど………たぶん緑っぽい色だった気がします」 『壱吾は8月だから……ペリドットっていって、コレ』 少し照れながらソレを指差していた香音を思い出す。 ……………なんで。 俺の中で、何かがガラガラと崩れ落ちていく気がする。 矛盾した行動は簡単に俺を揺さぶり、小さな小さな期待さえさせてしまう。 「……羽村さん?」 俺を見上げる彼女に「あ、……ありがとうございます」と御礼を告げると、今度は彼女が俺に質問をぶつけた。 「あのっ、羽村さんは…その……………香音のことが気になるんですか?…っ、さっきも香音のコートを持って出ていくのを見たので……」 ただ真っ直ぐに、何ひとつ間違っていない疑問をぶつけられて、俺は一瞬止まる。 隣では先輩の射るような視線が、俺をチクチクと刺した。
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