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ズズ…っとお茶を啜りながら俺を見る目が、「あれで隠してるつもりだったの?」とでも言っているような気がした。
まぁ、あれだけピアスの話に食いついてれば、勘のいい先輩にはバレて当然か。
そもそも、俺は隠すつもりもないわけだけど。
「どうなの?大好きだった元カノに再会した気分は」
「……"だった"じゃないです。今も進行形ですから」
香音のことを好きじゃなくなったことなんて、一度もない。
一方的に別れを告げられたあの日から今この瞬間も、好きで好きでたまらない。
「あれ、もしかしてそれ牽制してる?」
「はい」
口を真一文字に結んだ俺とは違って、余裕を浮かべた口元が綺麗に弧を描く。
「ハハ、そんなに心配?俺が手を出さないか」
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