再会

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「……すみません。昼休終わるんで、失礼します」 自分の小ささを思い知らされたような気がして、小さく頭を下げてから先輩にくるりと背を向けた。 「羽村」 名前を呼ばれて、数歩進めた足を止める。 「本気だから。……負けねぇよ」 「…………わかってます」 後ろを振り向くことなくそれだけ言葉にすると、また前へ向かって歩き出した。 *** それから十日後。 この日のために急いで仕事を終わらせ、主任と石田さんと共にお店のドアをくぐる。 先日のメンバーで二度目の飲み会の話を主任から聞かされた俺は、二つ返事で了承した。 香音が参加することは意外だったけど、こんなチャンスは逃せない。
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