再会

29/40
前へ
/747ページ
次へ
通された部屋には、すでに先日の女性達の姿があった。 無意識に香音を探すも、姿は見えない。 「あれ?一人足りなくない?」 主任が大学の後輩だという女性に声をかけると、彼女はさらりと答える。 「ごめんなさい。急なシフト変更があって、今日は香音、不参加なんです」 その言葉にピタ、と動きが止まる。 ………不参加?まじで? 一瞬にして身体の力が抜けたような感覚に陥った俺は、溜息を零しそうになるのをグッと堪える。 「羽村さん、おしぼりどうぞ」 俺の前に座るのは、先日の飲み会でも隣をキープしていた相田さん。 今日もしっかりしたメイクと柔らかい笑顔で、おしぼりを手渡される。 「……ありがとうございます」 とりあえず笑顔を浮かべて返せば、彼女もまた更に頬を緩ませた。
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加