決断

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*** 「………つか、ここからどうすんだよ」 香音のアパートまでやって来た俺は、外灯の横の壁にもたれかかる。 勢いそのままでやって来たはいいけど、香音の部屋番号も携帯番号も知らない俺は、ただここで待つしかできない。 「大体、まだ帰って来てねーのかもわかんねーじゃん……」 冷静になってよく考えればわかることなのに、"香音に会う口実が出来た"という事実に舞い上がってしまった。 「……………………………帰るか」 会えるもんだと勝手に期待してた分だけ、残念な気持ちは膨らむけど仕方ない。 若干、後ろ髪引かれる思いでアパートに背を向け、歩き出そうとしたその時だった。
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