決断

19/20
前へ
/747ページ
次へ
香音に繋がるものが何ひとつ無くなった俺には、この番号だけが唯一の光。 別れを選んだ香音が掛けてくることはないとわかっていても、どうしても変える気になれなかった。 黙ったままの香音が少し苦しげな表情を浮かべ、俯く。 そして、次に零れた言葉は俺を突き放すものだった。 「………用はもう済んだよね?もう帰って」 冷たく突き放されることには慣れていたはずなのに、相手が香音だとこんなにも心が痛む。 だけど、簡単に引き下がる気にもなれない俺は、 「………まだ終わってない」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加