告白

3/30
前へ
/747ページ
次へ
そう言うと先輩はそのまま香音の方へ向かい、何やら話をしたあと、ちゃっかり香音の隣をキープした。 「じゃあ羽村、運転よろしく」 楽しそうな先輩の姿に思わず舌打ちしたくなるのをグッと我慢して、ゆっくりと車を発進させる。 スーパーへ向かう間も、香音が貰った名刺の数だとか知りたくもない会話が繰り広げられ、俺は無言を決め込んだ。 そんな中、助手席に座る相田さんが発した言葉に、ピクリと眉が動く。 「桐生さんとデートしたって聞いた時は、すっごくビックリしちゃったんですよね!」 …………デート?……ってこの間のやつか? 香音は慌てたように相田さんを制するも、先輩はそんなこと気にも留めず、むしろわざと俺に聞かせているように思う。 「で、で、桐生さんはやっぱり香音のことが好きなんですよね?」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2052人が本棚に入れています
本棚に追加