告白

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「桐生さん、香音が苺好きだって、よく知ってましたね」 それに対して先輩は、なんてことなくサラリと答える。 「この間、二人で食事した時に教えてもらったんだよ」 ”二人”という部分をわざわざ強調した言い方に、当然主任達はザワザワと騒ぎ出す。 一応、あの日のことを知っている俺は、特に気にすることなく、手にしているノンアルコールビールを傾ける。 だけど、先輩の次の言葉に手にしていた缶を落としそうになった。 「水族館デートも楽しかったよね。展望台から見た景色も、観覧車から見た夜景も綺麗だったし」 ………………は? すい……ぞくかん…? 先輩の方を見ればニコニコと笑顔を浮かべていて、周りは先輩と香音の関係について盛り上がりをみせる。 当然俺は面白くなくて、その場から立ち上がると、香音の方へ向かった。 「好きだね、苺」 そう声を掛ければ、香音は一瞬驚いたあと、口元をキュっと結ぶ。 まるで『知ってるくせに』とでも言いたげなその顔は、ほんの少しだけ俺を優越感に浸らせる。
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