告白

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「……じゃあ、彼女になった時はすごく嬉しかったんじゃないですか?」 葛宮さんの言葉に、遊園地で想いを伝え合ったことを思い出し、ふっと笑みが零れる。 「うん、すごく嬉しくて本当に幸せだった。学校は違ってもいつも一緒にいて、周りがバカップルだって笑うくらい。あれ以上の幸せなんて今も知らない」 喧嘩もしたけど、香音と過ごす全てが本当に幸せで。 何にも変えられないくらい、愛しかった。 「そんなに好き合ってたのに、上手くいかないこともあるんだもんな~。まぁ、それが男と女なんだけど」 主任の言う通り、香音との別れなんかこれっぽっちも想像してなくて、ずっと続いていくのが当たり前だと思っていた。 「……ですね。彼女に言われた言葉を信じたくなくて、みっともなく足掻いて……。男としては情けないですけど、それでも別れたくなんてなかった」
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