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「今も俺の気持ちは、あの頃から何一つ変わってない」
どうしたら、香音の気持ちが変わる?
あと何をすれば、俺を見てくれる?
「今日言ったことに嘘なんか一つもねーから」
雰囲気や勢いなんかじゃない。
紛れもない、俺の本心。
「今でも、すげー好き。………好きで好きで仕方ない」
願うのは、たったひとつ。
もう一度、俺のことを好きになって。
無言を貫く香音の身体をゆっくりと離し、代わりに指を絡める。
「………香音、好きだ」
何度伝えたって、足りない。
諦めが悪くて、ごめん。
「………香音」
そっと名前を呼んで、絡めた手をキュッと握る。
じっと見つめ合う俺達の瞳には、互いしか映らない。
「…………あの時と同じことしようか」
叩かれる覚悟で、重ねた唇。
触れた瞬間、なんだか泣きたくなった。
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