欲望

14/30

2049人が本棚に入れています
本棚に追加
/747ページ
そう口にした瞬間、ゆっくりと香音がこちらを向く。 目が合えば、寝起きとは思えないくらいぱっちりとした瞳で俺を見ていた。 「…………な、んで」 驚かせてしまうことくらいわかっていたけど、このまま黙ってるわけにもいかない。 「影の協力者から頼まれた」 すると、香音はポカンとした顔を向けたかと思えば、すぐに何かに気付き、照明横の携帯を手に取る。 葛宮さんからのメッセージで状況を把握したらしい香音は、おでこに手を当て、ひとつ溜息を吐いた。 「…………本当、迷惑かけてごめん……」
/747ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2049人が本棚に入れています
本棚に追加