欲望

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迷惑だなんて思うわけがない。 申し訳なさそうに頭を下げる香音に、ミネラルウォーターを手渡す。 「……これ、わざわざ買ってきてくれたの?」 俺の手からミネラルウォーターを受け取った香音の隣にさり気なく腰を下ろせば、ギシッとベッドが音を立てる。 少し気まずい雰囲気が流れたのを感じながらも、静かな空間に俺はそっと声を吐き出す。 「………俺達の関係、知ってんだな」 一瞬、慌てた素振りをみせた香音だけど、すぐに小さく頷く。 「バレたの?」 「バレたっていうか、……気付いてた」 「そっか。あの人、勘良さそうだもんな」 だからこそ香音の変化に気付いたり、こうして俺にチャンスを与えてくれるのかもしれない。
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