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「………紗羽の連絡先、知ってたんだね」
そう口にする香音に、わかりやすく俺の口元は緩む。
「気になる?」
「……別に」
素っ気ない返事と逸らされた視線。
…………そんな都合よくいくわけないか。
俺は軽く事情を説明し、そっとベッドに手を付く。
「……でも、瑞妃の連絡先は知ってるんだよね?」
「瑞妃?……あぁ、相田さんか。いや、知らねーよ?」
「えっ、でもご飯!………行ったんだよね?」
きっと全て知っているであろう香音に、嘘なんか吐いたって仕方ない。
正直に頷いてみれば、少し棘のある言い方で返される。
「知られて困るなら、絶対漏れないように口止めしとけばよかったんじゃない?」
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