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「疲れてるんだから、早く寝なよ」
「そしたら自分はソファで寝られるし?」
三年近く一緒にいたんだ。
香音の考えてることなら、なんとなくわかる。
「………一緒になんて寝れないってば」
明らかに困惑したような表情をみせる香音に、「冗談だよ」って早く言ってやればいいのに、その一言が出てこない。
俺は言葉の代わりに香音の腕を掴むと、ベッドへと引っ張っていく。
「っ!ちょっと!私の話聞いてた!?」
適当に返事をしながら、慌てる香音をベッドの壁側へと追いやり、できる限り香音との距離をあけて、背中合わせになるように横たわる。
「なんにもしねーから、安心して寝ろ」
…………結局、全部俺の我儘だ。
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